ANAESTHESIA by Valentina Abenavoli
イタリア人アーティストであり、AKINA BOOKSを主催するヴァレンティナ・アベナヴォーリによる作品集。
2015年、当時イスタンブールで療養中のアベナヴォーリは、パリで発生したテロ事件にかつてない衝撃を受けた。それが多くの友人がいる場所で発生した事件だからであり、友人への共感と恐怖の伝播が起こったのだ。そして以降も続くテロリズムや戦争などの負の事件を受け、アベナヴォーリは悪や共感をテーマにしたシリーズ作の制作に取り組んだ。本書はファウンドイメージやスクリーンショットを使用することで、集合的記憶を通した共感というテーマに挑戦している。
「『ANAESTHESIA』は、様々な声の哀歌であり、人間の中の悪のシンフォニーであり、映画的に編集されたビデオのスクリーンショットであり、メディアとの交戦であり、戦争とテロへの大っぴらな批判であり、中立宣言であり、自我への反逆行為である。そこでは自分の限界を超えた何かを感じることを拒み、孤独に立ち尽くしてしまう。しかしこれ以上苦しむことなく、感覚の重荷を取り除き、生きることと絆を結ぶことから距離をおくことほど苦痛なことはないだろう。心の苦しみの叙情性において、内面的な孤独の収まりを切望することにおいて、他人を感じたいという願望よりも曖昧なのは何か。他者と向き合うと、個人的な苦痛と同じくらいに、個人的な喜びが絶対的で普遍的になる。残るのは恐怖に対する愛と、愛の恐怖だ。」ー Valentina Abenavoli
-
Title: ANAESTHESIA
Artist: Valentina Abenavoli
AKINA, 2018
Softcover, 260 x 190 mm
96 pages
Text in English
First edition
¥6,500 + tax