Adieu A X by 中平卓馬

日本人写真家、中平卓馬による作品集。

急性アルコール中毒により記憶と言語能力の一部を失って以降、中平は「アレ・ブレ・ボケ」を否定した作品制作を続けていた。本書は全編モノクロームのネガで撮影されており、前作『新たなる凝視』（1983）の延長線上にありつつも、初期の作品との中間で着地点を模索しているような印象も受ける。森山大道が『写真よさようなら』（1972）から『光と影』（1982）の10年で歩んだ苦難と復活の歩みとの重なりも感じさせる。

「─ 何故、私、この本のタイトルを、"Adieu a X"と決定したのか。私、いま、様々なものに対して"あばよ"、と言いたいのだ。この世の多くの「写真」、またいろいろな人々に対して。さらに敢て言えば、私、これが、私の最後の写真集になるだろう、と考え、突如、フランス語で"あばよX"を思い出し、このタイトルに決定したのだ」─ 中平卓馬（あとがきより）

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Title: Adieu A X
Artist: 中平卓馬 (Takuma Nakahira)
河出書房新社 (Kawade-shobo-shinsha), 1989
Soctcover with dust-jacket, perfect binding

295 x 210 x 12 mm
Text in Japanese
First edition
¥27,500 -

Condition: Very Good／経年並のスレ、キズ、ヤケ、帯の縁小破れはあるが非常に良好