And Yet My Mask is Powerful by Basel Abbas and Ruanne Abou-Rahme

マルチメディア・アーティストのバーゼル・アッバス（Basel Abbas）とルアン・アブー＝ラメ（Ruanne Abou-Rahme）による作品集。

本書は、2016年にロンドンのギャラリー「Carroll/Fletcher」で開催された展覧会に伴い刊行された。前作『The Incidental Insurgents』 (2012 - 2015) に引き続き、本作は現代の危機を象徴する終末論的な論理を描いている。本作のタイトルはアメリカの女性詩人、アドリエンヌ・リッチ（Adrienne Rich）の詩『Diving Into the Wreck』から借用されている。ふたりは占領されたパレスチナの破壊された村を訪れ、新石器時代の仮面をかぶったパレスチナの若者たちのグループを記録した。世界で最も古いもののひとつに数えられるこれらのマスクは、もともとヨルダン川西岸で発見され、現在はイスラエルの民間のコレクションに保管されている。ふたりはマスクのオンライン上の展覧会で使用されていたそれらの写真をもとに、マスクを3Dプリントして制作したのである。

スクリーンショットや動画のキャプチャ、直筆のノートや資料を織り交ぜながら、本書ではそのような作品の制作過程に焦点を当てている。単なる資料集ではなく、ふたりの旅の軌跡を辿る紀行文のような、多層的なスピンオフ作品として構成されている。

初版1000部。

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Title: And Yet My Mask is Powerful
Artist: Basel Abbas and Ruanne Abou-Rahme
Printed Matter Inc., 2017
Softcover, 240 x 205 mm
184 pages?
First edition of 1000 copies
ISBN: 9780894390906
¥2,600 + tax