Street Photographs by Shimpei Asai
日本人写真家、浅井慎平の作品集『Street Photographs』。本作が出版された1970年といえば、安保闘争や大阪万博、よど号ハイジャック、三島事件など、まさに動乱と変革の真っ只中の時代であり、写真史においてもProvokeの終焉や中平卓馬の『来るべき言葉のために』の刊行など象徴的な時代といえる。
本書は浅井がグアム島で撮影した写真を収録。一見逃避行にも思えるが、ある意味では浅井なりに混沌の時代を捉え直そうとしていたのかもしれない。ギャリー・ウィノグランドらの所謂コンポラ写真の流れから、時折ルイス・ボルツらニュー・トポグラフィックスの予感も感じさせる、時代を象徴する名作。
「そして今日はこれまたなんと怪物じみた時代だろう。万国博と戦争と、月ロケットとフーテンと、コンピューターとファッションと、いろんなニュースがごっちゃまぜに情報化の波にのって感覚に訴えてくる。喜びがいっぱいなのか?殺風景で虚しいのか? ー いずれにしろ今日の社会はプリズムで見るようにいろいろ変化する。この大きくなりすぎた社会、繁栄の時代のなかで、個人としての人間は明るい絶望といったものを感じないではいられない。」ー 春日井 健(本書序文より)
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Title: Street Photographs
Artist: Shimpei Asai
深夜叢書社, 1970
Hardcover, 205×220mm
104 pages
¥12,000 + tax
Condition: Good/経年並み。ダストジャケット小破れ、ヤケ、シミ、ページ角小折れ
*古書の状態について
Mint: 新品未開封
Very Good: 非常に良い
Good: 古書として一般的なコンディション。経年変化による多少の傷や汚れあり。
Acceptable: 特記すべき破れや汚れがあります。一度読んでみたい方向け。