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Feature: Bertien van Manen
ベルティアン・ファン・マネンの写真集
2024年8月31日(土)- 9月23日(月)


この度IACKは、オランダ人写真家のベルティアン・ファン・マネンの写真集特集を開催いたします。

ファン・マネンはオランダのライデン大学でフランス文学とドイツ文学を学んだあと、ふたりの幼い子どもを育てながら翻訳者として、フランス語教師として、そしてモデルとして働いていました。しかし、40歳にして当時のアムステルダムでは数少ない女性ファッション写真家としてのキャリアをスタートし、その後スイス人写真家のロバート・フランクによるドキュメンタリー写真集の金字塔『The Americans』(1958年)に触発され、ドキュメンタリー写真家に転向します。

ヨーロッパ、アジア、アメリカなど、世界各地で撮影されたファン・マネンの作品の中でも、1991年から2011年にかけて制作された『A Hundred Summers, A Hundred Winters』(1994年)、『Let's Sit Down Before We Go』(2011年)は、ソ連崩壊後のポストソビエト諸国で撮影された最初期のドキュメンタリー写真作品のひとつとして知られています。ファン・マネンは時間をかけてロシア語を学びながら、現地で出会った人々や親しくなった人々を撮影し、当時謎に包まれていた国々における暮らしと豊かさを伝えました。

いつの日か作家本人を招いて企画展を開催することを夢見て、IACKは今日までに出版されたファン・マネン氏の写真集を収集しておりましたが、2024年5月27日に作者は惜しくも逝去いたしました。今回開催する特集では、彼女がこれまで出版してきた写真集全10作と最新刊『I am the only woman there』(2024年)を通して、珠玉の作品とその軌跡を紹介いたします。初めて作家の名前を耳にする方も、すでに作品に触れたことのある方も、改めてその魅力を感じる機会となれば幸いです。

展示作品集
A Hundred Summers, A Hundred Winters(De Verbeelding/1994年)
East Wind, West Wind(De Verbeelding/2001年)
Give Me Your Image(Steidl/2006年)
Let's Sit Down Before We Go(MACK/2011年)
Easter and Oak Trees(MACK/2013年)
Moonshine(MACK/2014年)
Beyond Maps And Atlases(MACK/2016年)
I Will Be Wolf(MACK/2017年)
Archive(MACK/2021年)
Gluckauf(Fw:Books/2023年)


*当展では、作家の公式ウェブサイトに出版物として掲載されている10冊を、作家が作品と認識していたアーティスト・ブック(写真集)として分類、収集しています。

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Feature: Bertien van Manen
ベルティアン・ファン・マネンの写真集
会期:2024年8月31日(土)- 9月23日(月)*土日祝営業
営業時間:11:00-14:00/15:00-18:00
会場:IACK

Bertien van Manen/ベルティアン・ファン・マネン(1935-2024)
1935年、オランダのハーグ生まれ。オランダのライデン大学でフランス文学とドイツ文学を学び、ふたりの幼い子どもを育てながら翻訳者として、フランス語の教師として、そしてモデルとして働いた後、40歳にしてファッション写真家として活動を始める。その後、スイス人写真家のロバート・フランクによるドキュメンタリー写真集の金字塔『The Americans』(1958年)に触発され、ドキュメンタリー写真家に転向。作品はニューヨーク近代美術館、パリのヨーロッパ写真美術館、アムステルダムのステデライク美術館、ヴィンタートゥール写真美術館などで展示されるほか、主要なパブリック・コレクションにも収蔵されている。
www.bertienvanmanen.nl

I Am The Only Woman There 
Fw: Books, 2024
Linen hardcover
229 x 174 mm
160 pages
Text in English
¥7,040 -
www.iack.online/products/i-am-the-only-woman-there-by-bertien-van-manen