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写真と言葉#1|写真装置
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当企画は、身近な写真や写真作品について考えたり、話したりするための糸口を探るための企画です。第一回目となる今回は、1980年から1986年にかけて写真家/写真評論家の大島洋により発行された写真雑誌、「写真装置」を特集します。
「写真装置」は、創刊から毎号さまざまな領域の批評家や評論家、そして写真家たちを招き、写真を切り口に特集テーマを論じました。領域横断的なテキストは、時代を映した貴重な記録でありながら、現代でも依然としてアクチュアルなものとして読むことができます。また、作品紹介に誌面をほとんど割いていないものの、中平卓馬の『写真原点1981』や、古屋誠一の『AMS』、高梨豊の『東京人 1978-1982』など、重要な作品を紹介してきました。
哲学者の多木浩二は第12号に寄せた論考で、現代において写真を論じることの面白さと難しさを、写真が「表現ジャンルの枠をこえて文化や日常生活に拡散し、殆ど意識されないほどに細かな粒子となって入りこみ、私たちがそのなかに生きているセミオシス(記号現象)を構成しているところにも見出されるから、ディスクールの視野もジャンルの問題を超えてひろがらざるをえない」ことに由来すると分析しています。
その指摘から40年近くが経過し、私たちは写真がより一層無意識のものとして漂う時代に生きています。写真について考えるとは何か、あるいは写真を通して考えるとは何か。当企画を通して、その面白さの片鱗に触れてみませんか。
「写真装置」全12巻揃いのセットもご用意いたしておりますので、この機会にどうぞお手元で言説の数々と時代の熱気をご堪能ください。
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【写真と言葉】 #1|写真装置
会期:10月12日(土)- 10月27日(日) *在庫切れのため終了いたしました
会場:店頭、オンラインストア