Dark Knees by Mark Cohen

アメリカ人写真家、マーク・コーエンによる写真集。

マーク・コーエンは、1970年代からストリート写真界の重鎮として活躍している。故郷であるペンシルバニア州のウィルクス・バレとその周辺を執拗に撮り続けてきたが、彼はこの石炭街の社会的な肖像を描くことに興味があったわけではない。40年以上もの間、常に警戒しながらよそ者の遠い目を持ち続けていたのである。コーエンは片手にカメラ、片手にストロボを持ち被写体に近づき、一瞬の衝動で彼の象徴ともいえる「グラブ・ショット」撮影を行う。モノクロでもカラーでも、腕の長さほどの距離で、ほとんどの場合ピントを合わせずに撮影された彼の写真は、顔のない胴体、手、足、一対の脚、あるいは単に膝だけを残して、身振り、姿勢、身体の一部の断片がフレームを走り抜けるように切り落とされる。このめくるめく線の組み合わせから、これらのイメージは落ち着きのないエネルギーと日常生活の奇妙さを感じさせる。本書は、2013年にパリの「Le Bal」で開催された個展に合わせて刊行された写真集であり、シンプルなブックデザインでコーエンの魅力を最大限に引き出している。

-

Title: Dark Knees
Artist; Mark Cohen
Le Bal/Editions Xavier Barral, 2013
Hardcover
250 x 175 mm
188 pages
Text in French and English
First edition
ISBN: 978-2365110426
¥38,500 -